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Jun 05, 2005

Appleがintelと組むというが…

Cnet Japan:アップル、IBMを見限る--Macにインテル製プロセッサを採用へ

 という記事が出て、AppleがpowePCからx86に乗り換えると大騒ぎになっている。
Appleがintelプロセッサの採用に動いている可能性は否定しないが、それがx86の採用に直結するかどうかは疑問がある。

 PowerPC970のクロックが予定通り3GHzまで伸びなかった件、970FXの供給が遅れXserveG5の供給が遅れた件、そして、PowerBookへのG5搭載が未だに出来ていない件、これらはAppleがプロセッサ供給元のIBMの量産体制に対して不満を持つには充分な問題ではあるが、PowerPCというアーキテクチャが持つ問題ではない。IBMのプロセッサ設計の能力と、Fabの製造技術とに問題があるのである。充分なスケーラビリティのあるチップが、充分な量供給されれば、そのアーキテクチャがPowerPCであることに、何の問題も無い。

 一方、x86互換のアーキテクチャに切替えることは、Appleにとって何のメリットもない。Tigerに至り完成度の上がってきたOSXを、再び10.0の段階にまで逆戻りさせることになる。10年前と異なり、Appleの守備範囲はOSだけではなく、一般ユーザーが常用するアプリケーションほとんどの領域に広がっている。この状況から、自社アプリだけでも早々に書き換えてしまえば、一般のユーザーはほとんど困らない、という論調も見受けるが、どうだろうか? 守備範囲が広くなっているがゆえにappleの負担する作業工数が莫大なものとなっており、短期間で仕上げるのはより困難になっていると思われる。

 さて、件のx86互換プロセッサだが、現代のそれらにとって、x86命令とは過去との互換性を維持するためのフロントエンドレイヤに過ぎず、中身はμOPsなどで実装された全く別物のアーキテクチャとなっている。伝統的にx86命令で書かれてきたwindowsにはx86互換が必要だが、MacOSにとってx86命令互換は必要がなく、むしろ有害であると言ってよい。Appleとしては、フロントエンドレイヤにBookE PowerPC命令セットが実装されていれば、内部がどうなっていようが文句はない。x86に限らず、PowerPC970も、PowerPC命令セットをよりシンプルな内部命令セットにトランスコードして実行するという構造になっており、伝統的なRISCのスタイルを既に失っている。極端な例を挙げると、性能さえ出れば、PowerPC命令セットをμOPsにトランスコードして実行できるプロセッサであっても、ソフトウェア側からはとくに問題はない。

 こうした状況から、もし、Appleが本当にintelのプロセッサを採用するならばどういう形になるかを推測してみよう。
 私は、intelがPowerPC設計製造に参入する可能性がもっとも高いと見る。
 その理由のひとつは、前述のようにAppleがIBM以外が製造する高性能なPowerPCを採用することにメリットがあるが、x86を採用することにメリットはないからである。
 これに加え、intelのプロセッサ設計チームの手が空いている可能性を指摘したい。
現在intelはx86互換チップの開発チームをふたつ抱えている。俗に言う、イスラエルチームと、オレゴンチームだ。従来は、01年のBaniasを祖とするPentiumMラインをイスラエルチームが、00年のWillamateを祖とするPentium4ラインをオレゴンチームが設計していた。しかし、製造プロセス微細化による高クロック化を狙うPentimu4の方向性が熱問題で行き詰まり、Netburst系のチップは04年にTejas以降ほぼ全てがキャンセルされた。この結果06年にはPentiumM系統をベースとするイスラエルチームのプロセッサがラインナップの全てを占めることとなる。
 こうした状況下で、オレゴンチームに08年以降をターゲットとしたさらに次の世代のプロセッサの設計が与えられていると考えるのも道理ではあるが、マイクロプロセッサに、商業面でも技術面でも高い成長が期待できなくなりつつある中で、従来と同じ体勢をあくまで墨守しているとは考えにくい。これまでにintelが言及しているMany coreなど将来のプロセッサに関する概念設計は継続されているだろうが、アーキテクトはともかく、エンジニアリングチームにこれまでと同じ仕事量が確保されてはいないだろう。
 このようにintelがPowerPCのライセンスを受け、プロセッサを設計生産することに一定の合理性はあると思われる。記事のように06年からintelチップが採用され、かつ、オレゴンチームが設計に当たるならば、Pen4がキャンセルされた04年からは2年ほどの間しかなく、プロセッサの設計期間としてちょっと短すぎるのが気にはなる。しかし、いまのタイミングで、Applrがx86に乗り換えようとしているという論よりは、無理がないと考える。

 WWDCは開発者カンファレンスの場なので、一般への公表はないが、NDA契約を結んだ開発者にx86版OSXのβ版が披露され、ソフト移植に関する情報提供がはじまるという可能性もある。ARM7コアを利用しているiPodラインへxscaleを採用するという可能性もあるだろう。もちろん、全てがガセの可能性も充分ある。が、せっかくお祭りになっているので、参加してみた次第。

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Comments

Pentium4起源のCPUが、RAMBUSメモリで真の実力を発揮、なんてシナリオがあったら楽しそうですね。マックに採用、だったらメモリに何を選ぼうが思いのままでしょうし。

結論出ましたね。
PowerMacG5の筐体ならば、少々熱いCPUでも難なく冷やせるでしょうから、Pen4が最後の一花を咲かせられたら、ちょっと面白いですな。
現状でTigerがPentium4 3.6GHzの開発機で動いているそうですが、コンポーネントは一般的なPCと同じでしょう。チップセットなど細かい内容は発表されていませんが、おそらくi945なり955なりで構成されたごく一般的なPCではないかと思います。今回の決定は、コスト削減も主眼に置いているでしょうからね。

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